用語集
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引火点 : JIS K 2265
引火点とは、オイルをカップに採取し、規定条件で加熱して小さな炎をオイル面に近づけたとき、オイル蒸気と空気の混合気体に引火する最低の温度を表します。オイルの高温限界を直接表すものではありませんが、耐熱性の目安になります。また、消防法上で危険物の分類に用いられており、石油製品全般の安全管理面で最も重視される性状の一つです。
オイル(潤滑油)の組成
回転ボンベ式酸化安定度試験(RBOT試験) : JIS K 2514.3
オイルの酸化安定性を評価する試験です。オイルと触媒を入れた試験容器を、圧力計付きのボンベに入れ、酸素を圧入した後恒温槽で回転させます。酸素圧力が規定値まで下がるまでの時間を測定します。既定値まで下がる時間が長いほど酸化安定性が良いといえます。
基油とは
グリースの組成
酸化安定度 : JIS K 2220.12
グリースの酸化安定性を評価する試験です。グリースを酸素を圧入したボンベ中に入れ、恒温槽に静置し、規定時間後の酸素の消費による圧力降下を酸化安定度とします。数値が小さいほど酸化安定性が良いといえます。
シェルロール試験 : ASTM D 1831
シェルロール試験とは、機械的せん断力に対するグリースの安定性を評価する試験です。円筒の中にグリースを入れ、さらに内部シリンダーを入れます。その後蓋を閉め、規定時間外部円筒シリンダーを回転させた後、ちょう度を測定します。試験前後のちょう度変化で表し、変化が少ないほどせん断安定性に優れるといえます。
湿潤試験 : JIS K 2246
高温、高湿下におけるさび止め性を評価する試験です。相対湿度95%以上、温度49℃でオイルを塗布した試験片を吊るし、1/3rpmで回転させながら規定時間放置し、錆の発生程度を調べます。錆の発生度はA級(0)~E級(55~100)の等級で表示します。
蒸発損失 : JIS K 2220.10
グリースを規定の条件で加熱した時、蒸発する量(蒸発損失量)を測定する試験です。高温下で使用される潤滑剤は蒸発損失が潤滑寿命を左右する原因の一つとなるので、蒸発損失量が極端に多いものは潤滑寿命が短くなります。潤滑損失が少ないほど使用上望ましいといえます。
水洗耐水度 : JIS K 2220.16
グリースが水により洗い流されることに対する抵抗性を評価する試験です。グリースを詰めた玉軸受をハウジングに組み込み、回転させながら水を軸受ハウジングに噴射し、グリースの重量減少を測定します。
増ちょう剤とは
中和価 : JIS K 2501
試料1g中に含まれる酸性物資を中和するのに要するKOH(水酸化カリウム)の量(mg数)で表されます。使用潤滑剤の酸化劣化の程度を知るための一つの目安になります。一般に潤滑剤が酸化劣化するにしたがって、中和価は増えてくるのが通常です。
ちょう度 : JIS K 2220.7
ちょう度とは、グリース中に規定円すいを5秒間落下させ、その進入する深さをミリメートルの10倍で表した数値で、グリースの硬さを表します。ちょう度は数値が小さいほど硬いグリースになります。ちょう度を一定の数値で区切ってグレード分けしたものがJISちょう度番号で、こちらは番号が小さいほど軟らかいことを表します。一般にちょう度と言うと混和ちょう度のことで、グリースを規定混和機で25℃に保ってから、60往復混和した直後のちょう度です。
低温トルク : JIS K 2220.18
低温環境下において、グリースを封入した軸受の起動時と運転時のトルクを評価する試験です。低温トルクの値が大きいほど、低温性の悪いグリースです。低温性の悪いグリースは、低温時に機械などの始動や運転が困難になることがあります。
滴点 : JIS K 2220.8
グリースをカップに充てんし、規定条件で加熱したとき、グリースが半固体から液状になりかけて、その初滴がカップの口から落下したときの温度を表します。グリースの高温限界を直接表すものではありませんが、耐熱性の目安になります。
動粘度 : JIS K 2283
オイルをガラス製毛管式粘度計に採取し、規定条件で一定容量のオイルが毛管内を流れる時間を測定し、この流出時間と粘度計定数からオイルの粘度を算出します。動粘度は、オイルの粘性を表す数値で、数値が大きいほど粘性が高いオイルになります(単位:mm2/s)。
銅板腐食 : JIS K 2220.9, JIS K 2513
腐食されやすい銅板を使用して、潤滑剤の金属に対する腐食性を調べる試験です。試料中に銅板を浸漬させ規定温度で規定時間保った後、銅板の変色程度を調べます。
粘度指数(Viscosity Index, VI) : JIS K 2283
オイルの温度による動粘度の変化の度合いを表す数値です。40℃と100℃の動粘度から粘度指数を算出します。粘度指数が高いほど温度による動粘度の変化が小さく、使用温度範囲が広くなります。
フッ素グリースとは
見掛粘度
グリースにせん断を加えた時の流動特性を測定する試験です。プレートとコーンの間にグリースを入れ、規定回転速度の時に得られる回転トルクから見掛け粘度を算出します。集中給油装置などでグリースを圧送する場合の適否、軸受等の起動トルク、ランニングトルクなどに関係します。見掛粘度は、ちょう度、増ちょう剤の種類、基油粘度が大きく影響しています(単位:mPa・s)。
四球試験 極圧性試験 : ASTM D 2783 / 耐摩耗試験 : ASTM D 4172
極圧性試験(ASTM D 2783):直径1/2インチの鋼球3個を試料容器に、1個を縦軸に固定し、試料容器に試料を満たします。所定の荷重を加えて、1760rpmで10秒間縦軸を回転させます。1回毎に試料と試験球を換え、荷重を増大させながら鋼球が融着するまでこの操作を繰り返し、融着荷重を求めます。潤滑剤の耐荷重性の目安となります。
耐摩耗試験(ASTM D 4172):直径1/2インチの鋼球3個を試料容器に、1個を縦軸に固定し、試料容器に試料を満たします。所定の荷重を加えて、1200rpmで1時間縦軸を回転させます。その後、接触点に生じた摩耗痕径を測定します。潤滑剤の耐摩耗性の目安となります。
耐摩耗試験(ASTM D 4172):直径1/2インチの鋼球3個を試料容器に、1個を縦軸に固定し、試料容器に試料を満たします。所定の荷重を加えて、1200rpmで1時間縦軸を回転させます。その後、接触点に生じた摩耗痕径を測定します。潤滑剤の耐摩耗性の目安となります。
流動点 : JIS K 2269
オイルを試験管に採取し、規定条件で冷却したとき、オイルが流動する最低の温度を表します。オイルの低温限界を直接表すものではありませんが、低温性の目安になります。
離油度 : JIS K 2220.11
グリースを円錐状の金網に詰め、規定条件下に置いたとき、金網を通してグリースから分離するオイルがビーカーに滴下した量を測定する試験です。グリースの離油度は少ないほうがいい場合がありますが、極端に少ないと潤滑不良の恐れがあるなど、使用条件において適切な離油量を見極める必要があります。
dmn値
転がり軸受の高速化の程度を表す値です。dmは転動体(玉またはころ)の中心を結ぶピッチ円直径(mm)で、軸受外径をD(mm),内径をd(mm)とすると(d+D)/2で表されます。nは回転速度(rpm)です。
EMCOR試験 : DIN 51802
グリースの防錆性を評価する試験です。グリース封入した自動調心型軸受をハウジングに組み込み、その中に蒸留水を入れます。規定サイクルで回転、停止を行った後、軸受の外輪軌道面の腐食度を0(腐食無し)~5(非常に強い腐食)で判定します。
ISO VG
工業用潤滑油について、ISO粘度グレードを表す数値です。
中心値の動粘度を整数表示した形になっています。
NSF International(NSF)とは
NSF規格について